コラム
現代の露地、ポーチ。

ポーチは道路から玄関扉の間のスペース。
家の外と中を繋げる「間」です。
このちょっとしたスペースですが、家に住むことにとても大きな影響があります。
ポーチとは、どんな場所なのでしょうか。
日本は古くから「露地」と言われる、茶室へ至る通路がありました。
茶室へ続く通路を歩きながら、
俗世間から離れ、
茶室へ入る前に心をゆっくりと整える意味合いがあります。
言わば、心の準備空間です。
現代ではこのポーチが露地の役割となるでしょう。
家についてすぐ玄関ドアではなくて、「これから家に入りますよ」と一呼吸置く場所。
この「間」が、家に入るという行為に物理的な奥行きだけでなく、
精神的な奥行きをもたらします。
家に入る前に一息つく場所にも、目を向けてみてはいかがでしょうか。